3月決算の会社は、ちょうど半期が終了し、今は面談の時期という方も多いかもしれません。
コーチングのセッションで、「部下が心を開いて話をしてくれない」「問いかけても、表面的なことで終わってしまう。心の本音を話してくれない」などの悩みを持っておられる方が多いのを感じます。
人は、どのような時に、心を閉じてしまうのでしょうか?
そして、どうしたら心を開いてくれるのでしょうか?
心を開かない時
まず、人が心を開かないときのことを考えてみましょう。
あなたが心を閉じてしまう時、表面的な話はしていても、この人には深い話や本音は言えないと思うときはどんな時でしょうか。
例えば、初対面だと、営業されないようにあまり話さないでおこう、どんな人かわかるまでは何も話さないでおこうなどと様子を見るために心を閉じたままになることがあります。
ある程度の関係性ができてくると、心を開いて話をする範囲や深さも変わってきますが、下記のような場合は、心を開こうという気にはなりません。
- 「この人はあまり信頼できない」
- 「何かを言うとすぐに批判されてしまう」
- 「この人は自分の言いたいことだけ言って、私のことを理解しようとはしてくれない」
などと感じているときは、自分を防御してしまいます。
『7つの習慣』にはこんな言葉もあります。
「あなたが熱しやすく、冷めやすい人だったら、激怒したかと思うと、優しくなるような人だったら、とりわけ人が見ている時と見ていない時とでは、まるで態度の違う人だったら、相手はあなたに心を開いて話をする気にはなれないだろう。
どんなにあなたの愛情が欲しくても、あなたの助けが必要でも、自分の意見や体験したこと、心の機微を安心して打ち明けることができない。その後、どんなことになるかわからないからだ。
私があなたに心を開かない限り、あなたが私と言う人間のことも、私が置かれた状況や、私の気持ちも理解できない限り、私の相談に乗ることも相談しようにも無理だと言うことである。あなたの言うことがいくら立派でも、私の悩みとは関係ないアドバイスになってしまう」
相手が心を開いていない状態で「あなたのためだから」とアドバイスしても、それがどんなに的を射たものであっても、相手の胸には響かないということが伝わってくる文章です。
心を開く時
逆に、心を開いて、自分の正直な気持ちを話そうと思える時はどんな時でしょうか。
- 「この人は私を馬鹿にしたり、批判したりはしない」
- 「この人は信頼できる人だ」
- 「この人は私を理解しようという姿勢で話を聞いてくれている」
- 「この人は自分の話ばかりするような人ではない。いつも耳を傾けてくれる」
などと感じられる時、心は自然と開かれていきます。
相手に心を開いてもらおうとする時 ー 心を整える3つの質問
では、自分自身が相手に心を開いてもらおうとする時、私たちは何に気をつけると良いのでしょうか。
面談をするとき、「業務の改善点をピックアップし、伝えたいことを整理する」準備をされると思います。
その時に、「相手の話をよく聞こう」「自分が話したい事は、相手の話を十分に聞いた後にしよう」と心を整える準備もやってみませんか。
自然とあり方が変わり、相手もその変化を感じ取ってくれます。
心の準備として、下記の3つの問いを自分に投げかけてみるのもお勧めです。
・「私はこの人に対して決めつけてしまっていることはないだろうか?」と自分を観察してみる
・「この人にはどんな強みがあって、どんな可能性があるだろう?」とその人の強みや可能性を考えてみる
・「私はどんなサポートを今までしてあげられただろうか?」と自分自身が変われるところを探してみる
深呼吸をして心を鎮め、心を整えてから面談に臨めば、今までとは違う関係性が生まれます。