この連休は自宅でゆっくり過ごすことにし、『人と組織はなぜ変われないのか』を読んでみました。
「自分の固定観念に気づき、変革につながる行動を起こすことは、ただ、結果を変えるだけでなく、知性のレベルを上げることになる」ということが一番印象に残りました。
事例として、なかなか権限委譲できない男性マネージャーの例、有能だけれど仕事が張り詰めてくるとビリビリ&不機嫌になり過剰に反応してしまう女性の例などが出てきます。
どんな職場でもよく見かけられる現象ではないでしょうか。
私も以前、私自身が権限委譲できずに多くの仕事を抱えてアップアップになったこともあり、また、ビリビリ&不機嫌になる人にどう対応するといいのか悩んだこともあります。
この本では、「免疫マップ」というツールが紹介されています。
「改善目標を阻害してしまう行動の裏には、不安や怖れなどから自分を守ろうとする裏目標があり、そこには自分でも気づいていない固定観念が結びついている」
という思考システムに気づいていくツールです。
私も、本を読みながら免疫マップを書いてみましたが、1回目はさらっと書けたものの、今ひとつピンときません。これで行動が大きく変わるようには思えませんでした。
本を読み進めていくと、
「自分の裏の目標に気づくには、不愉快な感情そのものを表に引っ張り出して、言葉で表現することが重要である」とあり、
私はもう一度自分自身に問いかけてみました。
すると、それまでは感じていなかった心の底にあった不安な感情が出てきて、「ああ、だから行動が起きなかったんだ」と、ここで初めて自分の深層心理に気づくことができました。
本当の変容には、自分の感情を深く見つめる必要であり、時間がかかることを知っておくこと、感情が抵抗しないように小さなことから始めること、検証していくことなど、いくつかのコツも書かれています。
検証していくことで、今まで抱いていた固定観念が、実はいつも正しいことではなく、自分の成長や可能性を制限していたことに気づくことができます。
この変容のプロセス全体を通じて、「知性のレベルを上げ、自分の持つフィルターそのものを客観的に見ることができるようになる」
とあり、それは、私自身、コーチとしてずっと目指している世界でもあり、また、繰り返して読みたいと思った本でした。
本の最後には、「成長を促すリーダーシップ」という章もあり、部下を持つ人には是非、一読をお勧めしたい本です。