ニーズや思い込みに気づく「Who」の扱い方【コア・コンピテンシー7-3】

課題も明確になり、解決法も出たのに、なぜ行動しないんだろう?

そんなふうに部下や、クライアントのことを思ったことはありませんか。

行動が起きない理由は、コーチングや1on1ミーティングの対話で、「事柄」だけを扱い、相手の「その人自身」をよく見ていないことが原因かもしれません。

コーチが、真の「変化と成長を促す人」になるには、事柄だけではなく「Who」(その人自身)を扱う必要があることを、コーチにとってのバイブル「コア・コンピテンシー」には、さまざまに書かれています。

例えば、コア・コンピテンシーの7番「気づきを促す」の3番目の項目を見てみましょう。

3. (コーチは)クライアント自身について質問している。例えば、考え方、価値観、ニーズ、欲求、信念など。
Asks questions about the client, such as their way of thinking, values, needs, wants and beliefs

では、コーチや上司が、「Who」(その人自身)を知ろうとすることで、本人が自覚していなかったところまで辿り着く対話の例を見ていきましょう。

ニーズに気づく

「もし時間や体力の制限がなかったら、何をしたいですか?」と私はある時、とても多忙な方に聞いてみました。

目の前のことで頭が一杯一杯になっている様子だったので、そこから離れて視野を広げることを意図して訊いてみたのです。

私は、本当に欲していることを探求する時間になることをイメージしていましたが、返ってきた答えはニーズそのものでした。

「〇〇さんにとって心身を休め、リラックスするというニーズがあるように感じました」とフィードバックすると、ご本人は自分の心や体をケアすることに意識が向いていないことにハッとされた様子でした。

優先順位がここでハッキリと見えてきて、その後の行動計画が変わりました。

どんなに解決策を検討し、行動計画を立てても、心身が疲労している状態では前に進みません。

思い込みに気づく

もっと頑張らなければと思い込んでいると、休日も頑張るモードで過ごしてしまっている場合があります。

ある時、私は話を聴いていく中で、「(クライアントさんは)もう十分頑張ってるなあ。もうそれ以上頑張ると悪循環になるのでは」と感じたことがありました。

それをお伝えすると、「頑張らなきゃと、つい自分を責めている」ことに気づかれました。

自分の思い込みに気づくことができると、思い込みを手放すことができます。

そして、本当に望む「あり方」「時間の使い方」に切り替えていくことができます。

忙しい ゆとりがない

What」だけでなく「Who」を扱う

「What」と「Who」の両輪を意識しようと、私はセッションの前に、自作の「コーチングをするにあたっての大切なこと」を読んでから、セッションに入るようにしています。

事柄だけに焦点を当てていると表層を扱うコーチングになってしまいますが、

  • 目の前のこの方はどんな考え方をしてるんだろう?
  • どんな価値観を持っているんだろう?
  • どんなニーズや欲求や信念(または思い込み)があるのだろう?

と、「Who」に好奇心を持つことで、

  • 「本当のボトルネックはここだったんだ!」とクライアントと二人して気づいたり、
  • クライアントが状況やご自身を俯瞰して、大切なことを見出したり

と、対話に深みを感じる瞬間が生まれます。

「What」だけでなく「Who」を扱う

これは、「クライアントに本当に貢献するための鍵」だと言ってもいいのではないでしょうか。

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